遺伝子検査とPRAの話③

「ミトコンドリアゲノム」について

前回、ハプロタイプとかハプログループの話が出てきましたが、その前にミトコンドリアゲノムについて説明した方がいいかなと思うので、今回はミトコンドリアゲノムについて。

まず、「ミトコンドリア」って何なのか、ぱっと説明できるでしょうか。どこにいるか知ってます?答えは、生物の細胞の中にいます。いる、というのか、ある、というのか。ミトコンドリアって、細胞の中の器官の一つであり、どうやら生き物でもあるようです。(生き物、語弊があるかなあ…。まあ、詳しく知りたい人は自分で調べてみてください)

で、「ゲノム」です。ゲノムは、DNAの持つすべての遺伝子情報のことです。生き物をつくる設計図を指す言葉といえばわかりやすいかもしれません。生物の授業で習ったと思いますが、細胞の中には核があり、核の中に染色体があって、その染色体の中にDNAが入っています。耳の形だの目の色だのといった遺伝は、このDNAの情報から書き出されてカタチになっています。

ミトコンドリアゲノムとは、つまり「ミトコンドリアが持つ遺伝子情報」。細胞核の持っている「核ゲノム」以外に、細胞の中にいるミトコンドリアも独自に遺伝子情報を持っているということです。(だからミトコンドリアは生き物でもあるという表現をしています)

ミトコンドリアゲノムは母方からしか遺伝しない

核ゲノムは父母の両方から遺伝するのに対して、ミトコンドリアゲノムは多くの生物の場合、なんと母方からしか遺伝しないそうです。余談ですが、犬の世界では「母犬6割、父犬4割」と言われます。つまり、母親の遺伝子を多く取るよという話。

エビデンスのない、昔から交配をしている人たちの間で肌感で伝わってきた言葉なのですが、これを知ったとき「おおっ!」と思いました。それって、ミトコンドリアゲノムが関係あるんじゃないの!?と。

脱線してしまいましたが、あとからまた仮説にこの部分を使うので、興味がある人は覚えておいてください。

ミトコンドリアゲノムの影響

ミトコンドリアの研究は世界で盛んにされているようですが、まだ明らかになっていないことも多いようです。分かっているのは、ミトコンドリアゲノムは、核ゲノムよりも持っている情報は少ないこと。ただし、核DNAが1つの細胞に1つしかないのに比べて、ミトコンドリアは1つの細胞の中にめちゃくちゃたくさんいる(人間だと数百)こと。このため、持っている遺伝子情報自体は少なくても、1つの細胞内には人間では1000程度のミトコンドリアゲノムがあるそうです。

そして、ミトコンドリアゲノムは核ゲノムに比べて変異体が出やすいこと。

PRAを含む遺伝子病は、遺伝子の変異が原因です。設計図の書き損じと言えばわかりやすいかな。次世代へ受け継がれていく途中、書き損じが出てしまい、その書き損じが例えるなら「●●になったら網膜を薄くする」という設計図になっているということです。

核心に触れたところで続きは明日以降。

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