【甲斐犬と狩猟⑥】つゆこと山歩きしたら…まさかのイノシシと二日連続エンカウント

狩猟3日目は、月曜日。本当はお休みにしていたのですが、気になる案件があったので午前中は仕事をしていました。
午後から山へ行くとなると、万が一何かが獲れてしまった場合山中で解体をしている時間がなくなるので、この日は銃は持たずにつゆちゃんと山歩きをすることにしました。
夜雲に次ぐ猟欲の強さ

つゆこは来月、6歳になる女の子。
犬舎で一番小柄で、美人で性格もよくて頭もよくて甘え上手で、「こんな奇跡の集合体おるの?」と、犬舎主と夜雲を骨抜きにしているかわいこちゃんです。
いつもは「濡れた地面歩けな~い」などとかわいこぶって飼い主にだっこで運んでもらったりしているのですが、
実は、ひとたび山に入ると犬が変わったように目の色を変えて獲物を追い回す野生児です。
房総半島に来たばかりの頃、生後8か月で鹿を追いかけて裏山を走り回り、6時間帰ってきませんでした。(ちなみに、同時に山へ消えた夜雲は9時間帰ってこなかった…きみたち…)
なので、この2匹はおいそれと山に放せないなと思っていたのです。
でも、自分が猟師となったいま、その猟欲を活かさなくてどうするよと思うわけです。
現在、猟場の近くに林業の人たちが仕事で入っているため、夜雲がいきなり現れるとびっくりされるであろう…というわけで、つゆこと出かけてみました。
はしゃいで谷から木の上まで爆走
谷へ入って、寝屋があった藪で反応を見てみようと思ったのですが…。ほぼ垂直の崖を駆け下りてはしゃぎまわり、林業のおじさんたちにまとわりついて愛想を振りまき、前半は訓練になりませんでした。
自分がやっと谷の下に降りたころにはまた崖を駆け上がって林業のおじさんたちと遊んでもらっていたので(ドッグトラッカーで動きを見て把握…)自分もまた崖をのぼってつゆこを回収するはめに。。。
人がいると集中しないので、谷はあきらめて林道を歩いてみることにしました。
その時の様子がこちらです。
木から降ってきました。
が、一緒に歩いては呼び戻して…を繰り返しているうちに、だんだん呼び戻しが利くようになってきました。つゆこはもともと笛で戻る訓練をしていたのですが、ちゃんと覚えていたようです。
笹薮の中に突っ込んではしばらくすると戻ってきて…を繰り返しながら、突き当りの藪まで行きました。
新しい足跡が…と思ったら、ブヒブヒ言ってる
突き当りの藪の前で、イノシシの足跡を見つけました。そんなに大きくない。でも、すごく新しく見える。
と、思っていたら、すぐ隣の藪から「ブヒブヒ」ッと、イノシシの声が!!!
声とか、中で動く音からしてさほど大きくありません。足跡もあまり大きくなかったので、多分同じやつです。いきなり二日連続でイノシシと遭遇するなんて、めちゃくちゃ運がよくないか…。
つゆこがイノシシに吠えた
でも今日は銃も持ってないし、藪の中だから撃てないしなあ…と思っていたら、いきなり藪の中から「ワン!!」とつゆこの声が聞こえました。
いつの間にか、藪の中に潜り込んでいたのです。
少しおっかなびっくりの声でしたが、それでもガサガサとイノシシを追っている感じです。しかし、しかしですよ。
今ここで飛び出してこられたらめっちゃ怖いんやが!!!(丸腰)
つゆこには申し訳ないのですが、高い場所に避難して藪の様子をうかがうことに。小さなイノシシ相手に、甲斐犬がどうこうされるとも思えません。しかも、5歳の成犬です。そこは信頼して様子を見ていました。
しばらくガサガサブヒブヒと、藪の中から音が聞こえ、やがてシーンと静かになりました。
(あれ…?逃げたのかな?)
ドッグトラッカーを見ると、なんだか全然違う場所にいます。ああ、これはいつの間にか藪の奥からイノシシが逃げて、つゆもそっちへ追いかけていったのか……
つゆこがいる場所へ向かいながら笛を吹くと、ドッグトラッカーのアイコンもすぐにこちらへ向かって移動を始めました。ということは、もうイノシシは逃げているはずです。案の定、一匹でハァハァ息を切らせながら戻ってきたつゆこと合流して、イノシシを追ったことを褒めまくりました。
課題はこっちへ追ってもらうこと、だけど
つゆこもサクラも猟欲はあり、獲物を追うことはしっかりしています。課題は、自分の方へ追い出してくれるようにすること。
でも、こればかりはやはり目の前で「出してくれたら撃つよ」というのを見せないといけないようです。分かっていても「そんなうまくいくかなあ」と思っていましたが……これは案外、地形を選べばできるのかもしれません。何せ、つゆこはしっかりイノシシに吠えて追うことができたのです。
あとは自分が昨日みたいに打ち損ねないこと…… 一連の動作をスムーズにやれるよう練習を重ねます。


