夜雲、前立腺肥大になる

細い便や平たい便が続く

じつは、夜雲が前立腺肥大になってしまいました。未去勢の老齢のオスほどなりやすい病気ですが、彼はまだ6歳10か月。ちょっと早いなあという感じです。

そもそも気付いたのは、3月上旬。便が細いな…と思ったのがきっかけでした。すぐに治るのならいいのですが、細い便が続き、しまいには平たい便が出たり、時にはうっすらと血が付いていることも。

あ、これは…と病院に連れていくと、案の定でした。

前立腺肥大のもっともいい治療方法は去勢です。でも、うちはブリーダーなのを先生も知っているので、いったん薬で小さくできるか見てみよう、ということになりました。

薬が効くのは割合的に7割くらいだそうです。効かなければ去勢も視野に…というか、結構大きくなっていたので、去勢しないと会陰ヘルニアなどの可能性が出てきてしまいます。あと、便がむちゃくちゃ溜まってた。そうだよね、細いままで、回数は同じだから。

ここのところ、体のラインがもったりしてきたと思っていましたが、前立腺と便秘でむくんでいたのかもしれません。

ヒートの牝に触発された?

前立腺肥大は、精子が前立腺に流れ込んでしまうことで肥大するらしいです。この、便が細くなった時期と相前後して、露虎、霊虎、百と、次々と牝が発情期を迎えました。

これまで同様、夜雲を外のケージで牝達と隣り合わせにしていましたが、匂いで生殖器が活発化してしまったのかも? 遠吠えもし始めたし、病院に行く前から前立腺肥大かなと思っていたので、便が細くなってしばらくしてからは家の中に隔離していました。(現在進行形)

のんきな顔してからに

予定を早めて交配

前立腺肥大で去勢になれば、夜雲の子はもう残せなくなる… あと、精子が溜まるのが原因なら、交配に使うことで多少ましになるのでは?

本来なら次回は夏以降の交配予定(しかも夜雲使う気なかった)でしたが、発情期が来ている牝の中の一頭と交配しました。(話が前後しますが、交配は病院へ連れて行く前。すぐ去勢しないといけないと言われる可能性も考えて先に交配していました)


3月19日から23日にかけて4回。結構なペースです。でも、そのせいか? 最近は少し便が太くなってきました。

病院に行き、薬をあげ始めたのは3月23日から。効き始めるのは投薬から2週間くらいからで、便に変化が出たのは3月24日から。

こう考えると、やっぱり交配と隔離に関係があるかもしれません。

そして何より、これで縮小するのなら薬も効くはず、だ!

あと2年、できれば3年

夜雲は保存視点で見ると、使いどころが難しい犬です。展覧会の成犬で入賞もしていますが、自分が教わった甲斐犬や、昔の本で見る甲斐犬の姿からすれば、ないものも多いです。

ただ、頭の良さややさしさ、運動神経、猟欲が素晴らしい。それに自分は正直展覧会はどうでもいいので、この気質を残したいと思ってここぞというところで交配に使ってきました。

うちは大師匠から譲ってもらった系統の保存をしていますが、それとは別に、ライフワーク的に、夜雲の子孫で足りないものを補って、納得できる犬ができたなら展覧会に出してみようかという目標があります。あと2代先で戻し交配をすればできるかも。と思っていた矢先にこういうことが起こるから、犬の保存って難しい。

人生の最後に飼う犬は夜雲の子孫で、彼にそっくりな牡を相棒にしたい。なので何とか、あと2年、できれば3年は去勢せずにがんばってほしいなぁ。

頼むよ、相棒

ドッグランに3時間離しておけばOK…じゃない。

新しい動物愛護管理法で、動物取扱業の要件に「分離型ケージの場合は別にドッグランを設けて3時間以上自由な時間をつくる」というものがあります。

散歩に連れて行くという要件はなく、逆に、散歩に毎日連れていくのだとしても必ずドッグランに3時間以上入れなくてはいけません。ちなみに、広さが規定に沿っていれば、同時に多頭で離しておいてもOKです。

商売としてやるにはラクな法律だと思います。でも、ドッグランに3時間放していても犬は最初の30分くらいで飽きるし運動にはならないです。さらに、多頭で放しているとどれが誰の便かわからない。吐いた痕があっても、それも誰のものか分からない。

犬のためを思うなら、本当は散歩を必須にすべきでドッグランは毎日じゃなくていいんだよね~…。便の様子、歩いてる姿を上から見て体型の変化に気づく、吐くことがある…。毎日毎日、散歩で気付く彼らの健康状態は計り知れません。

「まぁまぁやるやん」っていう、顔

大谷選手じゃないですが…人間が、犬に言葉が通じて「賢いねえ!」って思うのと同じことを多分彼らも考えていて。

犬が訴えていることに的確に対応すると、「え、分かったの? やるじゃん!」っていう顔をしてきます。そういう時が最高にうれしい。犬といる時の醍醐味です。人間の犬に対する「賢いねえ」って上から目線。やつらはそんなこと言われるまでもなく、本当によく分かってるんです。

前立腺の話からなんか脱線甚だしいですが…。多頭飼いしていても、やっぱり犬を飼うことを作業にしたくないなあと改めて思うわけです。犬が人に褒められてうれしいように、自分も犬に褒められてうれしい。褒められる相棒でいたいです。

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