甲斐犬のにぎり

「にぎり」ってなんじゃと思う方もいらっしゃると思いますが、人間でいう手のひら~指の部分、まんじゅうがあるところです。
展覧会だとこのにぎりがしっかり厚みがあって、グッと踏ん張れるのがよしとされています。

でも、昔の人が残した記述を見ると「甲斐犬の足はたこ足」という表現があり、指や手のひらを器用に使って吸い付くように岩や木にも登ったと。
確かに、甲斐犬を見ていると器用に指を使う犬が多いように思います。

山岳地帯で狩りをする際、にぎりが固くて厚みがあると、岩場やアイスバーンで滑るはず。
岩場や山を駆け巡っていれば、肉球も固く分厚くなっていくと思いますが、それでもなお、柔軟性を残したにぎりが実はいいのではと個人的には思います。(展覧会メインの方と相反してしまう意見なのですが、用途が違うのでご容赦ください。自分は展覧会志向ではないですが、もし出すのならにぎりはやはり気にすると思います)

あと、爪の生え方とか水かきとかつなぎとか、足一つとってもいろいろ山の中での向き不向きを考える部分はあり、それらと展覧会でいいとされる犬が必ずしも合致するとは限りません。

で、最近きた犬の足がまさにやわらかくて指がよく動くので、「おや」と思ってこんなことを書いているわけです。

こういうの↓

タランチュラみたいなにぎりしてます。

平ぺったくて握りが甘くて、一見よくないように思いますが、やわらかくて器用、鉄格子を人間のように指で握ることもできます。

うちにもともといた牡も手先が器用でしたが、この犬はさらににぎりの感じがやわらかく、何か違う。
肉球の間にもびっしり毛が生えていて、雪の上でも滑らず走りそうだなという足をしています。

「岩がき」と呼ばれた狼爪とこのやわらかいにぎりで、普通の犬が登れないような場所にもするする登ったんじゃないかな。
今度、手ごろな木があったら登らせてみようかと思ってます笑

さて、今日の仔犬。1日70gペースで増えています。

いつも舌が出てるお嬢さんです。毛質もつゆこのじゃないなあ。父方の仔犬時代を知らないので、今度見てもらおう
かまいたくて仕方ない夜雲。まだ早いです園長!