長寿甲斐犬クロ号の真相

昔の日本犬には結構びっくりするような長寿犬の記録がありますが、中でも甲斐犬クロ号は28歳10カ月まで生きたということで、書籍「甲斐犬」やその他日本犬の古い本にも出てきます。

甲斐犬愛護会発行「甲斐犬」に乗っているクロ号

最近、猟師さんに借りた「日本狩猟百科」にもクロ号の話が載っていました。そうしたらなんと。

クロ号は、「28歳10カ月まで生きた」「長寿を全うした」という表現でしか書かれてきませんでしたが、どうやら薬殺されていたらしいです。「食欲旺盛だった」ということなので、もしかすると30歳くらいまで生きたのかもしれない……

日本狩猟百科。よく、長寿の犬は「記録があいまい」と言われますが、クロ号に関しては飼い主さんが展覧会に出したり、この犬自身天然記念物指定されていたこともあり、詳細が残っていたそうです。

昔の日本犬の本って、同じ話が違う本に寄稿されていて見たことのある文章を散見することがありますが、と同時に、当時の同じ話を違う目線で書いていることもあったりして、「あの人はこのことをあえて書かなかったんだな」とか「忖度の結果嘘を書いてるな」ということがあります。

なので、1冊だけを見て知った気になると結構間違ってしまう。

横断して何冊も同じ時代の本を読むと、パズルピースがはまって面白かったりします。どっちやねん…という迷路にはまることもありますが。

あと、発行元によって書けることと書けないことがあったり(●●社は犬の団体と懇意だったから突っ込めなかったのねとか)。

そういうところも踏まえて出版社から選んでみると結構面白いです。